開発環境のセットアップ

マイクロコントローラを扱うためには、いくつかのツールを導入せねばなりません。 なぜなら、あなたが今使っているそのコンピュータとは異なったアーキテクチャを相手にすることになるからです。 また、プログラムの実行およびデバッグを、「リモート」のデバイス上でおこなう必要もあります。

ドキュメント

もっとも、ツールだけでは不十分です。 ドキュメントなくして、マイクロコントローラを触ることは到底できないなのです。

この本では、全体を通して以下のドキュメントを参照します。

ツール

以下に挙げるツールすべてを使います。 最小バージョンを記載していないものに関しては、最近リリースされたバージョンであれば正常に動くはずです。 ですがここでは、動作確認をしたバージョンを併せて記載しました。

  • Rust toolchain 1.53.0以上
  • gdb-multiarch バージョン10.2で動作確認済み。 他のバージョンでも同様に正しく動作すると思います。 お使いのOSディストリビューションやプラットフォームに対応したgdb-multiarchがない場合は、arm-none-eabi-gdbで代用が可能です。 さらに、通常のgdbバイナリでも、マルチアーキテクチャに対応しているものがあります。 このことについては、サブチャプターにも詳しく記載しています。
  • LinuxとmacOSの場合:minicom バージョン2.7.1.で動作確認済みですが、他のバージョンでも同様に正しく動作すると思います。
  • Windowsの場合:PuTTY

続いて、OSに共通である以下の手順に従って、いくつかのツールを導入してください。

rustc & Cargo

https://rustup.rsに従って、rustupをインストールしてください。

もしすでにrustupがインストール済みの場合でも、stableであることと、ツールチェーンが最新版であることを、念のため確認してください。 rustc -Vで得られる実行結果の日付が、以下に示すもの以降になるようにしてください。

$ rustc -V
rustc 1.53.0 (53cb7b09b 2021-06-17)

cargo-binutils

$ rustup component add llvm-tools-preview

$ cargo install cargo-binutils --vers 0.3.3

$ cargo size --version
cargo-size 0.3.3

cargo-embed

$ cargo install cargo-embed --vers 0.11.0

$ cargo embed --version
cargo-embed 0.11.0
git commit: crates.io

この本のリポジトリ

この本では、ちょっとしたRustのコードベースがいろいろなチャプターで使われています。 このため、以下のいずれかの手順に従い、そのソースコードをダウンロードする必要があります。

  • この本のリポジトリにアクセスし、緑色の「Code」ボタン、その後「Download Zip」ボタンを続けてクリックします。

訳注:この本の日本語版リポジトリはこちらです

  • 上記手順と同じリンク先のリポジトリから、gitでcloneします。(もしあなたがgitをご存じであれば、もうすでにインストール済みであることでしょう。)

OSごとの手順

続いて、お使いのOSに対応した手順に従ってください。